大國 a.k.a せんせい
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流川で知った、十日市のリトル・スペイン
「十日市のあたりに美味しいスペイン料理屋があるんですよ。ナカムラって名前で。おおくにさん知ってます?」
はじまりの舞台は私のホームタウン・流川。お気に入りのお店「ネオ酒場リリィ」で、店主さんからこんなふうに尋ねられました。私、答えて曰く、
「えっ、初耳です。スペイン料理好きなんですよー」
「国泰寺のバスクというお店で料理長をしていたシェフが独立して開業したお店なんですよ。」
「ホントですか! バスクはオーナーと父が仲良くて。私も何度か行ったことあるから、あの味にはなじみがあります。美味しいですよねー。」
というわけで私、この段階でわくわくが止まりません。私の旧知のお店・バスクの流れをくむというのもそうですが、普段から信頼しているリリィの店主さんのご紹介というのも、私のなかでかなりそそられるものがあります。これは絶対に行かねば!! と固く決意。仲間を誘って小さなスペインに旅立つことにしました。
――というわけで、はじめまして。もしくはお久しぶりです。2回目の寄稿となる大國(おおくに)と申します。1歳のころから広島・流川で生きております。仲間内からは「せんせい」と呼ばれています。
前回の地鶏食堂の紹介記事に引き続き、今回も流川から十日市まで出張しちゃいますよー。
お店に垣間見えるリスペクトとプライド
小さなスペインは、集合場所の本通駅付近から徒歩20分ほどの堺町1丁目にあります。楽しくおしゃべりしながら、お店に到着しました。
外観はこんな感じです。大人っぽい優しさ。けど、私が感じ取ったのはそれだけではありません。
店主さんの過去がどうであれ、そのお店はもちろん店主さんの物。店主さんの自由と責任のもとに、お店は営まれるものです。ただ、お店のコンセプトに過去への誇りとリスペクトがチラ見えするとき、思わず私はキュンとしてしまうんですよねえ。
ご参考までに、このお店のルーツとも言えるバスクの外装と比べてみましょう。
中区国泰寺町にあるバスクはこんな感じで……
そしてsalud ナカムラの外装や看板はこんな感じ。ここ、そのルーツであるバスクにどことなく似てると思うんですよね。これですよこれ。私のキュンなポイントは。なんか不思議な感傷に浸っちゃいます。
「せんせー、何してるの? 早く入るよー」
あっ、ごめんごめん。みんなお腹空いてるよね!
ささやかな非日常
さて、今回のメンバーは仲良し4人組。気心の知れた仲間との食事はそれだけでもハッピーなものですが、こういう「ちょっと良いお料理を提供してくれるけど、雰囲気はカジュアル」なお店をチョイスするのは「ささやかな非日常」って感じでオススメですよ。
えっ、「非日常」だからこそ、どうすればいいか困るって? なるほどー、たしかに何を注文したらいいか迷ってしまうかもしれません。ましてやこのお店、レギュラーのメニューに加えて期間限定メニューも豊富なので、目移りしちゃいますしね。
分かりました! このレポートでは、実際に注文して本当に美味しかったお料理だけを紹介することにします。……まあ全部なんですけどね。
そうそう。このお店は飲み物(お酒)も豊富です。ただ、私自身が飲めないのと、今回のメンバーで実際に飲んだのが1名だけだったので、お酒の紹介は割愛させてください。店名に付いている「salud」って、スペイン語で乾杯って意味なのにね。(お店はノンアルでの乾杯!も歓迎してくれます。お酒が飲めないから来店を遠慮する必要はなさそうです。)
本日のメニュー♡
えっ、われわれが何を注文したかって? みーんな自由人なので、細かいこと気にせず非日常を満喫しちゃいました♡
「じゃあみんな、メニュー見て食べたいもの言ってね。自分の好きな物たのも!」
「じゃあ、私はこれが気になります」
「ぼくこれ食べたいっす」
「私はこれと、これと、これえ。あと酒♡!」
数えてはいませんが、40席以上はありそうな広いお店です。それにこの日はお客さんで賑わっていた店内。ですが、料理長さんはじめスタッフの皆さんの手際と心くばりのおかげで、料理もドリンクもほとんど待つことはありませんでした。さすがの実力派ですね。
はいかんぱ~い!!
ではお料理の紹介もしていきますね。
こちらはカルパッチョサラダ。塩味ベースのドレッシングを使ったシンプルなお魚サラダです。今回のお魚は鯛。
熱々のアヒージョはオーソドックスなエビとキノコの組み合わせで。オリーブオイルとガーリックの組み合わせ、その香しさとうま味は永遠の名コンビと言って過言ではないでしょう。
そしてアヒージョと言えばバゲットがよく合います。
実はこのお店、お通しとしてバゲットが出てくるのですが、おかわり自由の無限バゲットシステムなんです。それも、単に食べ放題を標榜しているお店と違って、わざわざスタッフさんから「バゲットおかわりいかがですか?」とお声かけしていただけるのもうれしいですね。「遠慮なくどんどん食べてほしい」というおもてなしの気持ちが感じられます。
「本日のオススメですが、たとえばこちら、サーモンの……」
「サーモン大好きー。サーモンをよこせー!」
という感じで、食い気味に注文したノルウェーサーモンのブルーチーズ・グリエールチーズ煮込みもやって来ました。白いソースは、クリームをベースにチーズを溶かし込んだものですね。これまたバゲットによく合います。
お次は定番のカジョスです。牛の第二胃袋、いわゆるハチノスという部位があります。一般的なカジョスは、ハチノスのマドリード風トマト煮込みのことを指します。
このお店のカジョスは、もちろんハチノスも使っているのですが、実はほかに豚耳も具材に加えられているそうです。食感の違いを楽しめる心憎い演出ですね。
あとはスパニッシュオムレツ。こちらも「いかにもスペイン料理」って感じのお料理ですね。今回はじゃがいもの入ったプレーンなものと、茄子・ミートソースを使ったリッチなもの、両方とも頼んじゃいました。シュレッドした(ガリガリした)チーズもいい香りです。
そして、やはりラストを飾るのはパエリアです! メニューにはバレンシアパエリアという名前で、2~3人前と書かれていますが、もちろん4人で取り分けても十分なボリューム。スープがしっかりしみこんだお米は、地中海の風を感じると同時に、海と山の国・日本で慣れ親しんだ味にも近しい何かを思い起こしますね。
あー、お腹いっぱい大満足!
別腹デザート
「えーと、デザートは……」
で・す・よ・ね・え。実は私も食べたかったんです。お腹はいっぱいでも、もちろんデザートは別腹。というわけでデザートメニューのご紹介です。メニューを見ると……
- アールグレイのカタラーナ
- バスクこんがりチーズケーキ
- ピスタチオのモンブラン
- カヌレ~ドライフルーツのアイス添え~
「えー、全部美味しそう。全部食べたい!」
で・す・よ・ね・え。実は私も全部食べたいんです。
「よし、みんなでシェアしよう。すみませーん! このデザート上から4つ全部ください!」
というわけで、カタラーナ、チーズケーキ、モンブラン、そしてカヌレを大人買いです。いやこういうのは大人買いとは言わんか。でも、
「こんな注文はじめてしちゃった♡」
「あー最高みんな好きー♡」
なんて声が挙がる幸せなひとときです。
さあてさて、絢爛豪華なスイーツたち。せっかくだから、皆さんもぜひ目で楽しんでくださいね。
まずはカタラーナから。甘いアイス生地とキャラメリゼしたほろ苦い表面部分の混ざり合った複雑な味がたまらんですね。
ちょっとややこしいのがバスクのチーズケーキ。数年前から日本で流行ってるいわゆるバスクチーズケーキにしては上面の焼き色が少し薄め。もしかしたらこのお店のルーツにあたる老舗店バスクでは、流行る前からこれを出していたのかもしれませんね。
注文したお友達のどストライクのチーズケーキだったようで、大喜びしていました。
そして、モンブラン。モンブランクリームにピスタチオってのはいいですね。しっとり感とほどよい甘みがあります。あ、栗は中に隠れてますよ。
そしてカヌレ。硬質の表面に対して、中身はふわっふわ。これだけ食べても美味しいですし、添えてあるアイスクリームと一緒に食べてもまた良きです。
以上4品のデザート、もちろんみんなでシェアしながら美味しくいただきました。
“旅”のススメ
結局、今回いただいたお料理は7品+おかわり自由のバゲット+デザート4品でした。欲望の赴くまま、贅沢した感じですね。それに一人2~3杯くらいのドリンク。お会計は20,000円弱、割り勘して5,000円を切るくらいですね。みんながお酒を飲む場合はもう少しいくかもしれません。
最初に「ささやかな非日常」という言い方をしました。慌ただしい毎日の生活から少し一息つける、わずか数時間のささやかなスペイン旅行、皆さんもいかがですか?
■スペイン酒場 salud ナカムラ■
営業日時:月曜~土曜 17時30分~23時30分
住所:広島県広島市中区堺町1丁目4-2(Googleマップ)
電話番号:082-532-5505
予約:上記電話番号
支払い:現金・クレジットカード・PayPay
※上記の情報は筆者調べ(2022年10月現在)のため、間違いや変更の可能性があります。
大國 a.k.a せんせい
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