【広島銭湯部】SAVE・THE・銭湯

レポート
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広島銭湯部

「大人の涙は風呂で流せ」銭湯を通した人と人の交流を目的として広島で活動しています。

皆さん初めまして。広島銭湯部の部員「曽根」と申します。

とあるご縁で主賓のマサキマサユキさんと出会い、僕たちも記事を書かせて頂く運びになりました。広島銭湯部の活動内容と、銭湯の魅力をたっぷり発信しようと思います!

十日市エリアの銭湯といえば「土橋湯」があります。

その前に広島銭湯部とは?という皆さんのために、僕たちの自己紹介をさせてください。

「広島銭湯部」とは?

2016年に発足。元々は部長を中心に身内の集まりでしたが、HP/SNSをきっかけに男女問わず部員が増えていき、20人以上の大きなグループとなりました。

キャッチフレーズは「大人の涙は風呂で流せ!」です。

活動内容はいたってシンプル。月に1回、広島の銭湯をみんなで浸かり、風呂上がりに銭湯周辺のお店で食事し語らいます。
また、去年廃業した西区の「観音湯」さんで建物の取り壊し前に、銭湯部主催で”足湯+DJイベント”を実施。

つまり風呂と音楽、カルチャーの“混浴”という試みに挑戦してみました。
一緒にオリジナルグッズ製作など、銭湯の魅力発信の幅を広げていっています。

記事の最後に広島銭湯部HPリンクがあります。ぜひ暖簾からチラリと覗くよう見て頂けたら嬉しいです。部員も引き続き募集中です!!

活動内容ダイジェスト

月1回みんなで銭湯に入りに行く(コロナ渦現在は自粛中です)

 

観音湯さんで足湯イベント

 

グッズ制作

 

銭湯図制作

 

銭湯のタイル目地補修

など様々な銭湯に携わる活動しています。

広島の銭湯事情

次に広島の銭湯事情について説明します。

広島市は公衆浴場組合に登録してある銭湯が12軒あります(2021年8月時点)
歴史を説明すると広島市銭湯の最盛期は1960年台に約130軒と少し歩けばコンビニ並みに銭湯がある!というぐらい身近な存在でした。

しかし、ひと家庭にお風呂が当たり前の時代になるに連れ銭湯需要は年々衰退し、残り12軒しかありません。今ある銭湯を残したい。そのために僕たち広島銭湯部は動いています。

土橋湯に入ってみよう

前置きが長くなりましたが、土橋湯の紹介に入ります。
家族代々営業し、現在も昔からの暖かみある雰囲気を残したTHEスタンダードな銭湯です。
コンパクトながら機能的な浴槽、人情味あふれる番台やサウナなど魅力たっぷりです。

※ここからの写真は土橋湯さんに許可を得て撮影をしています。

アクセスについて、広電土橋電停から降りてすぐ。路面電車ひしめくメインストリートから
一本入ったら下町風情溢れる雰囲気に変わります。

 

そうすると、すぐに土橋湯の看板が見えていきます。

 

その袋小路奥に「土橋湯」があります。

こういった袋小路ってなぜかワクワクしますよね。僕だけでしょうか?
入口の暖簾をくぐります。

 


まず中に入ると、木札の靴箱、色鮮やかなタイル。銭湯に入るとこういった現在ではあまり見られない意匠面に注目するのも面白いです。

玄関の暖簾をくぐると…

 


番台と脱衣所が目の前に広がります。番台にて若女将の岡峰さんに入浴料を支払います。
※入浴料450円+サウナ100円

入浴料は各都道府県によって決まっています。広島県の銭湯(一般公衆浴場)は450円が上限。参考までに。

 


脱衣所の中も鏡広告、レトロなマッサージチェアなど昭和にタイムスリップした感じです。
鏡広告は地域との密接な関係をうかがえますね。床も毎日ピカピカに磨いており温もりを感じます。

 

こちらが浴室です。真ん中に大きな浴槽。両サイド壁面に洗い場。奥にサウナと水風呂というレイアウトです。

土橋湯だけではないですが広島銭湯の大きな特徴で、
浴室の真ん中にアイランド型浴槽が配置されている所が多いです。これには意味があって関西から西の地域は浴室に入るとまず1番にお風呂の湯でかけ湯をする風習があり、大勢の人がお風呂を囲ってかけ湯をするからアイランド型浴槽が主流なのです。
関東は浴室入ってすぐ洗い場⇒奥に浴槽というレイアウトが多い。かけ湯の風習が無いからだそうです。東西文化の違いを見てみると面白いですね。

もう一度浴槽に注目して頂きたいのですが、階段状の浴槽になっているのが分かりますか?

 


これは僕たち広島銭湯部で、「広島三段式浴槽」と名付け呼んでいます。
全国の銭湯を巡ってきましたが、三段式は広島でしか見てなく何故なんだろう?と僕たちなりに考えてみました。

 

それは、、、「雁木」ではないかと仮説をたてました。

広島は古くから水の都と呼ばれ船運送が盛んでした。しかし干満差が大きいため川船への乗り降りが大変。それに対応するため「雁木」と呼ばれる階段が川岸に作られていました。
この雁木が広島銭湯の浴槽とよく似ています。階段状になっているから全身で浸かったり、半身だけ浸かったりと様々な入浴方法を楽しめます。お子さんも上段に浸かれるので親子でも一緒に入浴できる機能的な浴槽です。人と水との密接な関係があった広島だからこそ生まれた物だと考えています。

 

↑三段式浴槽の図

 


次に注目して頂きたいのが、男女の浴室を分ける境が一部ガラスになっています。これも広島銭湯の特徴です。華やかさだけでなく、見えそうで見えない色気を演出しています(注:もちろんお互いみえません!)なぜガラス仕様なのか、妄想は膨らみます。

 

サウナと水風呂です。4人定員のドライサウナと深くて肩まで浸かれる水風呂。土橋湯は広島銭湯の中で1番サウナから水風呂の導線距離が近く、最短で整い体験ができます。(注:入水前に汗をしっかり流して!)

 


高い天井に湯抜き窓です。

夜でも雰囲気抜群です。昼は陽の光が入り表情が変わります。湯に浸かりながら頭上を見上げるだけで非日常が味わえます。仕事や情報過多から解放され、ぼーっとする「余白」の時間を作ってくれます。
最後に銭湯と言ったら、富士山壁画をイメージする人も多いでしょう。土橋湯には…

 


はい、コンパクトな富士山が僕たちを見守ってくれています。心安らぎますね。

十分満喫したので身体を拭いて女将に色々話しを聞いてみます。

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