【中華料理 鳳莱】取材お断りの名店「まち中華」がリニューアル!ついにメディア登場!

居酒屋
筆者イチオシ、中華ランチ。お腹いっぱい。
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宮崎園子

そのへんで細々と物書きをしている元全国紙記者。ひまを見つけては、広電とマンホールの蓋を眺めてたりしています。

われらが十日市の北端、ほぼほぼ寺町なロケーションで、ランチタイムとなればひっきりなしに人が出入りする人気店「中華料理 鳳莱(ほうらい)」。昨年10月、店は休業に入り、周辺住民はざわついたものです。

店の人に尋ねると、休業の理由は…40年の歴史で初となる本格的な店舗リニューアル。令和の大改装、約2カ月の沈黙を経て出現したのは、昭和み漂う以前の店とはまるで違う、オシャレカフェさながらのシュッとした店ではあーりませんか。

新しい店の外観。シュッとしてますね〜。

これは、もはや、ニュース!そう思ったので、食事がてら取材してきました。

 

城南通りを越えれば寺町のメインストリートとなる、石州街道。と言っても、ピンと来ないかもしれませんが、「縦の電車道から一本東側の縦の道」または「十日市のユアーズの裏口の方の道」などと言えばわかるでしょうか。「スペイン酒場 Saludナカムラ」や「旬菜マルシェやました」そして、「土橋温泉」など、ここ「きみ知ら」でも紹介された名スポットが南北にずらっと並ぶ、あの通り。その北の方の通り沿いの角地に「鳳莱」はあります。最寄りはもはや、十日市ではなく寺町電停。

 

鳳莱の入り口

かつては「ほうらい」と、どデカく書いた看板が正面にでーんと鎮座していたのですが、それがなくなり、朱色を基調とした外観が目を惹きます。おしゃれ〜。

 

ほうらいの”ビフォー”。2022年11月、店の前を通りがかった時に筆者が撮影した外観。今はなき「ほうらい」の大きな看板がまだ残っていた

「実は…これまでは店が古くて恥ずかしかったから、取材を受けてこなかったんですよね」。厨房で鍋を握る2代目の植永茂雄さん(45)は言います。民放テレビ局の街ロケで突撃取材を受けたことがあるが、40年前の創業時から変わらない古い店内が恥ずかしくて断ったそうです。

しかし!店舗の大幅リニューアルを経て、キレイになったということで、満を持して取材を受けてくれました。本邦初取材?!

 

新しくなった「ほうらい」の表示。夕方になるとポッと浮かび上がる。古いネオン看板はそのまま残した

ザーサイ450円から、中華麺600円、もっとも高いほうらい特製ランチ1300円までメニューはさまざま。一番人気の中華ランチは900円で、具だくさんの八宝菜に鳥の唐揚げ、サラダにスープとライスがついてお腹いっぱいのセットです。

 

筆者イチオシ、中華ランチ。お腹いっぱい。

筆者の秘蔵写真。古いお店時代の中華ランチ。変わらぬモリモリ感

筆者がランチを兼ねて取材に行った日、横のテーブルでは、現場系のガタイのいい男性が、中華丼を食べていました。だいたい特製ランチか中華丼、と決めているそうです。

 

具沢山の中華丼と向き合う常連さん

「このあたりの現場に来たら必ずここ。おとうさんの頃から来てるからね」

 

鳳莱名物、ニラ感が詰まった小さめサイズの焼き餃子。ネギをたっぷりタレに入れていただく

そして、鳳莱名物、ニラ感強めの小ぶりな餃子。付け合わせの刻み青ネギを、餃子のタレにつけて、一緒に食べるのが鳳莱流で、男性も青ネギを丁寧にタレ皿に一つ残らず移してからちょっとずつ餃子を噛み締めていました。

「since 1983」。リニューアルで撤去された以前の看板には片隅にそう記されていました。今回の店舗大リニューアルも、創業40年の節目を前に着手しました。「自分が幼稚園の頃に、親父が作った店なんです」。植永さんは懐かしそうに振り返ります。他の店で働いていた父・雄二さんが心機一転、自分で持ったお店だそうです。

 

息子の茂雄さんは、中学生の頃から、自転車に岡持を担いで出前を手伝っていたとか。「チャンポンをひっくり返したりもしましたよ」。高校3年生で、配達のために原チャリの免許を取得。20代半ばごろから、鍋を振り出したそうです。

 

灼熱の厨房でチャーハンを炒める植永茂雄さん

手際よくチャーハンを炒める

父や厨房の職人さんに作り方を聞こうにも、忙しいときに聞いたら怒鳴られるので、とりあえず見よう見まねで作っては味見して、どうしてもわからない時は聞いて、という形で鳳莱の味をマスターしていったそうです。看板の中華丼のあんは、秘伝のレシピがあるとか。

 

中華丼一丁あがり〜

じゃーん!

雄二さんは6年前に病気で他界しましたが、手書きの貼り出しのお品書きなどがそのまま店には残っていました。油とともに、いろんな思い出が染み付いた店。工事のため休業に入った店内を見ながら、「こんなにボロボロになるまで、よう頑張ったなあ」としみじみ思ったそうです。

ですが、今回のリニューアル、きれいにすることのほかにも大きな目的がありました。それは…念願のフライヤーを導入すること。

 

新品を入れたのにすでに年季が入りつつあるフライヤー。いかに揚げ物づくりが大変か!

町中華と言えば、鶏の唐揚げやら何やら、揚げ物はつきものですが、実は今まで、通常の中華鍋で揚げていたそうです。フライヤーだけでなく、厨房設備は総入れ替え。

そして何より、今回のリニューアルで鳳莱が目指したのは「居酒屋使いができる町中華」。定番メニューに加えて、「一品料理の小シリーズ」を加えました。

 

一品料理の小シリーズの数々。お酒が進むメニューばかり!

一品料理の小シリーズの品々。こりゃあ、アルコールが進む!

通常1000円の「なすと肉の味噌炒め」は600円にといった具合に、ビールやお酒のつまみとして気軽に食べてもらえるように小さめサイズを充実させました。揚げぎょうざは350円、野菜炒めは550円。あれこれちょっとずつつまみながら食べたいときにお手軽なメニューです。

 

セットが人気。あれこれありますよ〜

リニューアルを機に、インスタグラム(@tokaichi_hourai)での発信もスタート。土曜限定メニューや特別メニューなどの情報を積極的に発信しています。「メニューが多すぎるけれど、色々あってこその町中華だから。大衆食堂のような感じでいたいなって思います」

 

いいにおいが漂いまくる鳳莱のインスタグラム。そういや、シズル感って最近あまり言わなくなりましたね

筆者が中華ランチをほおばっていると、若い2人組の女性客が入ってきました。「職場の社長がここのファンで、おいしいって言うからいつか来たかったんだけど、前の店はちょっと入りにくくて。新しいお店はとても入りやすいです」と笑顔。実際、お店が新しくなってから、初めて訪れる若いお客さんが増えたようで、植永さんもニンマリ。

 

サラリーマン風の若い男性2人は黙々と食事をしていた

清潔感あふれる店内

今後、お酒のラインナップを充実させていく予定だそうです。前々からの常連さん、そして、新しいお客さん、それぞれの「おいしい」の笑顔が見たくて、今日も植永さんは張り切って鍋を振ります。

 

厨房で笑顔を見せる植永茂雄さん。

 

中華料理 鳳莱

広島県広島市中区十日市町2丁目3−14 カルム十日市

【定休日】日曜日

【営業時間】11:00 – 14:30 18:00 – 21:00

TEL:082-292-9130

Instagram:@tokaichi_hourai

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宮崎園子

そのへんで細々と物書きをしている元全国紙記者。ひまを見つけては、広電とマンホールの蓋を眺めてたりしています。
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