【旬菜マルシェやました】島根県・飯南町から届く自然の恵み

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時盛 郁子

時盛 郁子

食べることと読み書きと、予定をぎゅうぎゅうに詰め込んだ旅が好き。

ナチュラルで優しい雰囲気の外観。最寄りの電停は土橋または十日市町

手作りのお惣菜や、新鮮な野菜をたっぷり食べたい……。そんな思いにそっと寄り添ってくれるお店が、十日市エリアにあるのをご存じですか?

2021年6月、猫屋町にオープンした「旬菜マルシェやました」。「畑から食卓へ」をコンセプトに、島根県・飯南町で作られた旬の野菜やお米、手作りのお弁当やお惣菜を販売されています。

ふるさとの野菜のおいしさを伝えたい

「旬菜マルシェやました」で取り扱う野菜やお米のほとんどは、オーナー・山下謙一さんの出身地である島根県・飯南町で作られたもの。謙一さんは一時ふるさとを離れて働いていましたが、空き家になった実家に引っ越してきたIターン農家の方にもらった野菜を食べ、改めて飯南町の野菜のおいしさを実感したのだといいます。

町全体が標高約450mに位置し、昼夜の寒暖差が大きい飯南町では、栄養や糖分をたっぷりと蓄えたおいしい野菜が育ちます。「飯南町のおいしい野菜を、たくさんの人に食べてもらいたい」。そんな思いから、謙一さんは野菜の販売をスタートすることを決意します。

さらに、謙一さんを動かした理由がもうひとつ。「飯南町は移住を促進しているけど、販売先がなければ農家の人は困ってしまう。町のPRをしながら、販売先として農家の人の力になりたいと思ってね」。移住先として幅広い世代から注目されている飯南町には、農業や林業に携わろうとする人を支援する制度もあります。しかし、その仕事を続けていくためには「販売先」が必要不可欠。実際に「旬菜マルシェやました」で扱う商品の半分以上は、Iターン農家の方が作られたものだそうです。

木箱に鮮やかな色合いの野菜が並ぶ。木のお買い物かごがかわいい

店内では飯南町在住のハンドメイド作家の作品や特産品も取り扱う

現在は毎週木曜日と日曜日に謙一さん自らが飯南町を訪ね、野菜を買い付け。一般的なスーパーではあまり販売されていない、珍しい野菜もありますよ。

菜の花と似ているが、苦みが少ない紅菜苔(こうさいたい)(70円)。天ぷらやおひたしに

かつお菜(100円)は広島からIターンした農家の方のもの

「のらぼう菜は油揚げと一緒に煮びたしにするとおいしいですよ」と教えてくださったのは、シェフ・山下由美さん。お店を開くことが決まってから、野菜についての知識やおいしさを引き出す切り方などをお客さまに伝えられるようにと「野菜スペシャリスト」の資格を取得されたそうです。野菜のおすすめの食べ方を知りたいときには、ぜひ声をかけてみて。

白菜やキャベツはカットしてもらえる。「ちょうどいい量」が買えるサービスが嬉しい

 

シェフ・由美さんが作るテイクアウトメニュー

毎日11時30分からは、旬の野菜を使用した日替わりのお弁当も購入可能。「もともと料理が好きだった」という由美さんが手掛けるお弁当は注文を受けてから用意されるため、作り立てを受け取ることができます。

白菜しゅうまい弁当(800円)。しゅうまいの皮の代わりに白菜を使用

取材時のメニューは、「白菜しゅうまい弁当」(800円)。直径約15cmのランチボックスにはご飯がたっぷり盛られていますが、ボリュームのある白菜しゅうまいと一緒にどんどん食べすすめられます。ご飯の上に添えられているのは、手作りの生姜の佃煮。生姜のツンとした辛さはなく、穏やかな甘辛さときくらげのぷるんとした食感を楽しめます。

毎日お店のインスタグラムで紹介されるお弁当は、メニューが重なっている日を探すのが大変なほどのバリエーション。これまでに提供されたメニューの中からお気に入りを聞くと、謙一さんはクリスマスイベント中の「ロマネスコ(カリフラワーの一種)ツリー」、由美さんは「野菜たっぷりのハンバーグ」とのこと。「家では、たくさんの種類の野菜を一度に食べることはないので」と続ける由美さんによると、ハンバーグに使われている野菜はなんと十数種類。豊富な種類の野菜を取り扱う「旬菜マルシェやました」ならではの、自慢の一品です。

また、お弁当やお惣菜には仕入れ過ぎてしまった野菜などを使用することで、フードロス対策も兼ねているそう。「放るのがいちばんダメ」と語る謙一さんの言葉にも、仕入れた野菜やお米を大切にされている様子が滲みます。子ども食堂やひとり親家庭を支援する団体などにも、積極的に野菜を提供されているそうです。

オーナー・山下謙一さん(右)とシェフ・由美さん(左)

 

期間限定!飯南町の「森の絹」を焼き芋で

「ついつい匂いに誘われて入ってきた、と言う方もいますよ」と笑う由美さんの言葉のとおり、店頭にはおいしそうな焼き芋の香りがふんわり漂います。飯南町でつくられたさつまいも「森の絹」の焼き芋は、秋から冬にかけての期間限定商品です。

店内にはほかほか焼き芋がスタンバイ。珍しい「壺焼き」スタイルで焼き上げる

焼き芋プリン(300円)。さいの目にカットされたさつまいもがたっぷり

さらに、焼き芋を使用したスイーツやスムージーも。焼き芋、牛乳、ゼラチン、黒ごまという潔くシンプルな材料でつくられた「焼き芋プリン」(300円)は、お弁当のあとのデザートやおやつにおすすめ。砂糖を使用していないため、さつまいもの自然な甘さが楽しめます。

ぬかっと!腸活スムージー(350円)。はちみつ焼き芋(期間限定)のほか、ブルーベリーバナナのフレーバーも

2022年2月に登場したばかりの「ぬかっと!腸活スムージー」(350円)には、便秘解消や美容に効果があると言われる米ぬかを使用。炒った米ぬかにはあまり癖がなく、焼き芋の甘さを感じたあとに、シャリっとした食感ときなこのような風味がほんのりと残ります。飲み終わる頃にはおなかがしっかり満たされる、満足感のあるスムージーです。

 

店内で取り扱う野菜やお米、特産品は、広島県内であれば無料で配送・配達もしてもらえるそう。「たくさんの人においしい野菜を届けたい」という心意気が、ひしひしと伝わります。島根県・飯南町の恵みをぜひ、みなさんも味わってみてくださいね。

旬菜マルシェやました

広島市中区猫屋町2-14 グローバル猫屋1F

定 休 日    不定休
営業時間   10:00~18:00

TEL      090-2117-0831
ホームページ https://shunmaru831.com/
Instagram  @shunsai_yamashita

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