猫屋町博士
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今日も誰かが十日市、こんにちは、猫屋町博士です!
夏真っ盛り!
こう暑い日が続くと街を歩いてても都会の雑踏、喧騒から離れた場所を求めてついつい路地裏のお店に涼を求める足取りになりますね。
そんな中で出会ったのがこの夏、十日市に新しくオープンしたブックカフェのwhsker(ウィスカー)さん。
なんて8月に記事を書き始めてたらもう11月ッスよ、なんてこった。

Book Cafe Whsker
場所はこの辺
ここ、元は鉄工所でしたが春先には改装が始まって一体何が出来るんだろう?とワクワクして眺めておりました。
まさかブックカフェが出来るとは──。
ブックカフェ、好きなんですよね。本に囲まれ読書を嗜みつつコーヒーを溢して本を汚してしまわないかの緊迫感、そしてそれを隠し味に愉しむコーヒーの背徳感。エアコン効かせながらの布団、冬にこたつでアイスのそれに近いものがりますよね。

とにかく明るい店内
開放感余りある店内、各所に照明が取り付けられており温かみのある素敵な空間。
十日市の裏路地の、扉一枚隔てた先にこんな世界が広がってるなんて誰も想像できない。
さて、小腹が空いたのと涼を求めて注文に移ろう、とりあえず奥に進んで黒板メニューを眺める。

メニューはこんな感じ
黒板を見るとノートに書き写さなきゃ!って気持ちが湧くのは自分だけですかね?自分だけですか、そうですか。
学生時代に見飽きた景色も大人になった今ではホワイトボードばかり確認する社会生活に追われているので黒板は逆に新鮮だ。
この暑い時期にカキ氷があるのはありがたい、冬になるとまた期間限定で温かいメニューも加わるのだろうか?
黒板メニューは来る度に少しずつ変化するので間違い探しのようで楽しい。
注文は奥のレジで先に会計を済ませるタイプ、カキ氷をオーダーしつつ店長さんに店名の由来についてお尋ねする。
「猫のヒゲは非常に敏感なセンサーの役割をしています。本という媒体を通して情報を発信したい、有益な情報を持ち帰ってもらいたいという思いから猫のヒゲの意味を込めて【Whsker/ヒゲ】としました!」
『なるほど~、それでお店のロゴも猫のモチーフなんですね。』

シンプルでかわいいデザイン
にゃーん
「老若男女問わず情報交換できるコミュニティスペースとして利用して欲しい、本の交換会やその他イベントも定期的に開催するので是非。」
物腰柔らかな関西弁で喋る店長さん。
以前は大阪のカフェで修行されており、広島出身のオーナーさんの誘いでお店を任されているとのこと。オーナーさんは居抜きではなく一からお店作りをしたく壁や電気設備を施工したとか。凄過ぎて尊敬の念を抱かざるを得ない。
話し全然変わるけど関西弁って良いよね。先日とあるBARのカウンターで飲んでたら隣の席の女性が
「関西弁の男性って好きなんですよね~」
なんて言うから
『ほなわしも今から関西弁で喋ろうかの、関西弁とか全然余裕じゃろ』
とか言うて全然喋れんかった、全然、自分もう関西弁は聞き専でいいです。
カキ氷を作って頂いてる間に店内を物色。
見渡すとDIYが色濃く随所にこだわりが垣間見える、本棚の手作り感は圧巻。

木のヌクモリティを感じる
天井が高いのが良い、観葉植物が多く配置されてどことなくジャングルのような装い、マイナスイオンが空から降り注ぐ。

背の高い本棚があるのも良い
京極夏彦の書斎の本棚のような重厚な佇まい。
児童文学を子供の手が届く下の棚に、中段は小説、上段は昭和期の漫画と雑多なようで親切設計。
脚立も用意されているので上の棚は自分で取っていいのかな?と思いきや言ってくれればお店の人で取ってくれるとのこと。自分の手に取りたい感もあるけど脚立、慣れてないと危ないもんね。

常に手元が常に明るく読書環境としては最適
本が置いてあるカフェ、と言うよりは書斎の中でイートインがあるという風貌だ。読書に集中できそう。
他の本棚も古い雑誌やライフスタイル、専門書から絵本まで個性的なラインナップで退屈はしない。
探せばきっとお気に入りとなる一冊が見つかると思う、知らんけど。

私のお気に入りの一冊
これから先の長い人生、うっかり異世界に転生したり中世ヨーロッパにタイムスリップすることもあるかもしれない。
貴族社会、階級差別、教会の序列、ギルド、騎士、人々の生活、予習しておくのも大事だよね。
う~ん、異世界に行くなら火起こしや水の確保、味噌や醤油の作り方を身に付けておいた方が堅実かもしれない。
愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶ、人生は学びの連続だ。

脚が渋いテーブル席
どことなくアンティーク調の金属ゴリゴリレトロなデザイン。新幹線だとグリーン車にこんな感じのフットレストあるよななんて考えながら足を置くと───、

『こいつ・・・動くぞ!』
なるほど足踏み式のミシン台ね、いや知ってたし、別に驚いてないし、しかし楽しい。
足踏みする度に店内に響くスキール音、これは体験する機会が少ない代物なのでみんなも是非試して欲しい。気分はハムスター、みんなでとっとこしよう。
そうこうしてるうちにカキ氷のお出まし。

カキ氷 抹茶ミルク (¥880.-)
スプーンでスッと軽やかに掬える淡雪のような氷、スプーンを挿し込んだ状態でもう美味しい、指先の向こうに味覚を感じる。わくわくしながら口に運ぶ、舌に乗せた瞬間ふわっと消滅して喉へ抜けていく爽やかな甘み。
スプーンが止まらない。
頭がキーンとなるほど食べた後に箸休めの如く頂く白玉は贅沢の極み。

ハシビロコウの主張が激しい
カウンターはクセの強い本(褒めてる)が並んでいて目移りしますね、一体どこで仕入れてくるんだろうか。
カキ氷がこれだけ美味しいと他の軽食メニューもきっと美味しいに違いない。
ということで私のお気に入りのフードをいくつかご紹介します!

ホットドッグ(¥500.-)カフェラテ(¥600.-)

ビジュがいい
主役はソーセージなのにパンが美味しい、深部にひっそりと隠されたレリッシュが全体の味を引き立てて口に入れるたびに訪れる幸せ。全く妥協していない味、ひょっとしてここはホットドッグ専門店なのでは?

カフェラテはツートンが綺麗
氷が異様に黒いけどこれはもしかして・・・

氷がコーヒーで出来てる!
「コーヒーを飲みながらゆったり読書を楽しんでもらいたい、でも最後の方で溶けた氷で味が薄くなって欲しくないとの思いからコーヒーを氷にしました。」

『この気遣いは嬉しいですね! ブックカフェだとどうしても長居すること前提で利用することが多いので安心して時間潰せますし。』
「そうですね、博士も是非ゆっくりお過ごしいただいて──。」
『仕事の合間に来てて時間無いのでテイクアウトもありですね(社畜)』

クリームソーダ(¥780.-)
奇を衒っていない、清涼感あふれる正統派のクリームソーダ。
ほー、いいじゃないか、こういうのでいいんだよこういうのが。クリームソーダ、好きなんですよね。
お酒が飲めない未成年の時分は趣味の如く喫茶店に通ってはクリームソーダばかり飲んでいた。
氷がクラッシュだったり丸氷だったり店毎の特色を確かめながらあのお店はどうこう、こっちのお店は云々と薀蓄を垂れ流しながら気取っていたあの頃。今思えば恥ずかしくも青臭いさくらんぼの様な甘酸っぱい思い出だ。
結局最後はスタンダードなクリームソーダに落ち着くんですよね。

ずっと溶けなければ良いのに
良い眺めだ、今なら食品サンプルを愛でる人の気持ちも分かる気がする。
この風景を栞にして本に挟みたい。

プリン(¥500.-)(ドリンク別)

土・日曜日限定のメニュー、絶妙な硬さ加減とカラメルのほろ苦さが心地よい。
『口溶けなめらか~美味しい~~、なにかこだわりとかあるんですか?』
「このなめらかさを出すために濾す作業を10回以上繰り返しています。回数を重ねる毎になめらかさが増すので、そこがこだわりですね。」
『10回も!? えっ、こわ・・・味わって食べよ・・・うっま。』

海苔チートースト(¥800.-)(カフェラテ+¥150.-)
土日限定モーニング。
ドリンクはコーヒー・紅茶・ジュースから、デザートはミニプリンかミニヨーグルトが選べられる。カフェラテは+150円で変更可。

厚切りのトーストはテンション上がる
ボリューム満点、和洋折衷の素朴な味、時計を見ればまだ9時過ぎ。
コーヒーの香り、ページをめくる音、優雅な時間が流れる朝、今日もゆっくり始められる。

本の交換会に参加してみた

イベント中のディスプレイはこんな感じ
これ、準備するの相当大変だっただろうなという方向に目が行く。
各自で読み終わった本で人にオススメしたい本を持ち寄るイベント、ありそうでなかなか無いよね。

読み終わった料理本を持ってきた
そして何冊かを持って帰る。
古本屋等に持ち込んでお金に換えるのも一つの手だろう。でも誰かの手に渡る、誰かの本を受け取る実感が得られるのは魅力的だ。個人的には狭く深く、ジャンル縛りとかでやってくれてもいいかもしれない。
何気なく参加した本の交換会。本の押し付け合いでも推し合いでも、コミュニティのハブとしてお客さん同士の繋がりが生まれるイベント。ちょっとした非日常で楽しい。
ウィスカーさんに読みたい本を探しに行くも良し、読みたい本を手に通うも良し。もちろん気軽なカフェ利用としてもオススメなので是非一度足を運んでみて!
Book Cafe Whsker
広島県広島市中区十日市町2-2-19
定休日 月・火曜(instagramにてお知らせ)
11:00~19:00(土・日・祝 9:00~18:00)
駐車場 無
猫屋町博士
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